変換効率とキロワット単価

各社の太陽光電池モジュールを比較したときに、まず目に飛び込んでくるのは「変換効率」と呼ばれる項目ではないだろうか。

「効率」という文字がついているから、この変換効率の高い電池モジュールが高性能なのだろう、と思うのが普通だ。事実、変換効率の高い電池モジュールほど、その値段も「高く」なる。

どんな製品でもそうだが、性能の良い商品は相対的に高価格であるかわりに、そのぶんのメリットがある。パソコンや携帯電話だったら処理速度や耐用年数、容量などの便益が挙げられる。ユーザーは値段に見合ったサービスを得て、満足する。

では、太陽電池モジュールは、どうか。これがなかなか微妙なところなのだ。

電池モジュールの「変換効率」というのは、太陽光のエネルギーを電力に変換する能力のことで、シンプルに言えば「単位面積あたりの発電量」。「いかに小さい装置で、発電が出来るか」に注目する指標だ。

この指標は、技術開発の当事者にとっては重要な指標に違いない。我々社会全体にとっても、少ない面積でエネルギーを生成できる装置は、普及するに越したことはないのだ。ただ「現在のところ」」、それが太陽光発電の利用者にとって「意味のある」指標であるかは、微妙である。

なぜか。

結局、どれだけ「変換効率」が高くても、一般家庭の利用者からしてみれば、「設備費用を早く回収できて、日々の消費電力を賄うことが出来れば」ほぼ満足だからだ。したがって、それに足る電力を調達できさえすれば、変換効率がどうであろうと関係がなく、より安価に必要な量のパネルで屋根を敷き詰めることが出来れば構わない

変換効率が良くても、「キロワット単価」が高ければ、初期費用の回収年数に時間がかかる。注意すべきは、変換効率は「曇天でもよく発電できる」といった意味ではないということ。総計の定格出力が同じならば、曇天での出力量も同じだ。もちろん材料によって天候への向き不向きがあるが、それは変換効率とは別の変数である。

おそらく今後の技術進歩とともに、変換効率が、そのままキロワット単価に反映されるようになるだろう。原理的には同じ発電量をより少ない材料で賄うことが出来るのだから。ただ現在はまだ、そのデバイスの小型化にコストがかかってしまう状況にある。時勢を見ながら、どの電池を選ぶのかを、決めねばならない。



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